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医院清掃の向上を追求する その54

2016年06月01日

□バイコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症

 0.5~2.5μmのグラム陽性球菌で、地球上に生息する動物における腸管内の常在菌である。もともと多くの抗菌薬に耐性傾向を示し、バイコマイシンが本菌による感染症の有効な治療薬であったが、バイコマイシンに耐性を持つ腸球菌(VRE)が出現し、日本を含め世界各国で重要な院内感染の起炎菌となっている。

 腸球菌は尿路感染、敗血症、心内膜炎、創部感染症など引き起こすが、もともと病原性が低く、臓器移植、心臓手術、血液悪性腫瘍、透析などの患者の日和見感染症として発症する。

 接触感染で、患者と医療器具及び至近環境への直接接触により汚染した手指や衣服によって媒介される。伝播力はかなり強く、徹底して管理が必要である。患者の腸管から排泄される糞口感染(腸管感染)であり、トイレ便座、ドアノブ、洗面所を介して伝播する。

次回は、バイコマイシン耐性腸球菌について更に詳しく考えます。(S.U)