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院内環境の向上を追求する その15

2015年07月29日

今回は、院内清掃における感染防止についてまとめてみましょう。

院内環境と感染について
以前は必要のない過大な対策を取っていました。
たとえば、①定期的な環境消毒;消毒剤の噴霧 ②院内清掃時の消毒剤使用 ③定期的な環境中の微生物汚染調査等々です。しかしながら、壁、床などの表面は通常微生物汚染があるりますが、これら環境表面が患者様や医療従事者への感染に関わることはまれな事です。床などは消毒剤を使用することにより一時的に菌量は減少しますが、人が往来すれば数時間で元の菌量に戻ってしまいます。

現在では、環境表面の汚染が手指を介した接触伝播により感染を引き起こすため、院内清掃に求められている事は、手指の清潔(手指消毒)の遵守、埃の堆積を最小限に抑えるような環境の清掃です。

  そこで、清掃の基本的な考え方として
   1)清掃の主な目的
    ・患者に快適で安全な療養環境を提供する
    ・清掃業務を適切に行うことで、治療と看護がより効果的に行われ、質の良い医療の提供の
      一環を担う
    ・感染経路の遮断をする(手一物一手の接触感染を防止する)
    ・医療従事者や病院に携る様々な人に安全で良好な労働環境を保障する
    ・建物の維持保全をする
   2)清掃時の注意点
    環境表面は、患者様のケアの間に直接接触しないので、環境からの感染をコントロールする
      ためには、環境は洗浄することで十分で滅菌や消毒の必要はなく、手指消毒に加えて汚染させ
      る環境表面への対応、特に「手指の高頻度接触表面」の徹底した清掃が重要です。

以上、阪大病院感染制御部のレポートを参考にさせて頂きました。