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医院清掃の向上を追求する その56

2016年06月15日

□疥 癬

 ヒセンダニがヒトの角質層内に寄生して起こる皮膚感染症で、性感染症の一つでもある。ヒセンダニ(疥癬虫)は、ヒトの皮膚で生活する。幼虫、若虫及び雄成虫は体表面で活動するが、雌成虫は交尾後、角層内にトンネルを掘って産卵を続ける。産み付けられた卵は3~4日で孵化し、幼虫となり、脱皮を繰り返して成虫となる。一世代の長さは約10~14日。

 症状として、激しいかゆみ(特に夜間)、皮疹(腹部、胸部、手掌、指間)がある。疥癬には、普通の疥癬と免疫低下患者が罹患する角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の二型がある。違いはヒセンダニの寄生数で、一人あたりの寄生数は通常の疥癬で1,000匹。角化型疥癬では100~200万匹と桁違いに多く、皮膚が牡蠣殻状になる。角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の場合は感染力が非常に強いので特に注意が必要である。

 ヒセンダニは人体寄生性であるため、人体から離脱後は環境条件によって生存日数が異なるが死滅し、落下した疥癬虫からは感染はしない。卵は乾燥状況でも1週間は感染性がある。又、疥癬は効果的治療後24時間で感染力がなくなることから、疥癬と診断され、治療を受けた患者から医療従事者に感染する可能性は低い。

次回は疥癬についてさらに詳しく考えます。(S.U)